『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』伝説の死にゲーが3DCGで映画化!

伝説の死にゲーが3DCGで映画化!

作品情報

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(アメリカ/2023年/92分/原題:The Super Mario Bros. Movie)

監督:アーロン・ホーバス、
脚本:マシュー・フォーゲル
出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ、チャールズ・マーティネー

3.4

あらすじ

とある未知の世界では、カメの大魔王クッパがペンギンの王国を襲っていた。クッパは王国に隠されたスーパースターを見つける。

ニューヨークはブルックリンに暮らすマリオとルイージ兄弟。配管工として独立後、全財産を投じたTV CMの効果もあって、初仕事が舞い込んだ。しかし、依頼主の飼い猫と争い、仕事は失敗。意気消沈していたところ、ブルックリンで水道管が破裂し町は大洪水になる。活躍のチャンスと下水道に潜り込んだマリオとルイージは不思議な土管に吸い込まれる。

土管に吸い込まれたマリオはキノコだらけの王国に、ルイージは大魔王クッパが統治するダークランドへワープした。キノコ王国でキノピオと出会ったマリオはルイージを探しに出かける。一方、ルイージはクッパの手下たちに捕まっていた。
キノピオの案内でキノコ王国のプリンセス、ピーチ姫の城に忍び込んだマリオ。侵入者として、城を逃げ回っていたマリオはピーチ姫と出会う。人間に出会えたことを喜ぶピーチ姫は、マリオがクッパと戦う素質を持っているか、お手並みを拝見する。
様々な障害が置かれたステージを容易くクリアするピーチ姫。マリオは苦手なキノコを食べ、パワーアップするが、何度やってもクリア出来ず、朝を迎えてしまう。マリオの諦めない姿勢を認めたピーチは、マリオとキノピオを連れ、ジャングル王国へ向かう。
ジャングル王国に辿り着いたピーチ一行は、クッパと戦うための軍事同盟結成を申し出る。しかし、自国の軍事力に絶対の自信を持っている王様クランキーコングは相手にしない。申し出を受け入れるまで帰らないと豪語するマリオを試すため、クランキーコングは息子のドンキーとの戦いの場を設ける。終始劣勢のマリオだったが、諦めずに戦い続ける。殴り上げられたマリオは、ブロックに隠されたアイテムを見つけ、猫マリオに変身。ドンキーを倒し、同盟結成に成功する。
マリオ一行はジャングル王国の戦士たちと共に、特注のカートでキノコ王国を目指す。マリオにピーチ姫を奪われる危機を知ったクッパは、マリオを倒すべく、手下を差し向ける。ドンキーと協力し、辛くも強力な敵を倒したマリオだったが、コースが破壊されて、海へと落ちてしまう。
キノピオと共にキノコ王国に逃げ帰ったピーチ姫は、1人でクッパと戦う姿勢を見せる。クッパはピーチ姫に求婚するが、断られてしまう。キノピオを攻撃されたピーチ姫は、渋々結婚を受け入れる。
海で巨大な魚に飲み込まれたマリオとドンキーは喧嘩をしながらも、タルミサイルを発見。魚の胃袋から脱出し、キノコ王国へと向かう。その頃、クッパとピーチ姫の結婚式が開かれ、捕えられていたルイージや、ジャングル王国の戦士が生贄に捧げられようとしていた。ピーチ姫は婚約を破棄し、クッパを凍らせる。キノコ王国に到着したマリオとドンキーは華麗な動きで敵を翻弄し、ピーチ姫のもとへと向かう。
マグマに落ちかけたルイージをタヌキに変身したマリオが救出。クランキーを助け出したドンキーは、父に認めてもらえたことを喜ぶ。マリオと話すピーチ姫を見て憤慨したクッパは自力で氷から脱出。特大ミサイル、マグナムキラーをキノコ王国へ撃ち込む。タヌキマリオはマグナムキラーを挑発し、ドカンでワープさせることに成功する。
大爆発を起こした反動でマリオたちはダークランドごとドカンに吸い込まれてしまう。ブルックリンに戻ったマリオはクッパにやられ、弱気になってしまう。しかし、自分たちのCMを見て奮起したマリオは再びクッパに挑む。ピーチの機転でクッパから奪ったスターを取りに走るマリオ。クッパの吐いた炎が迫るが、ルイージがマンホールで炎を防ぐ。スターを取ったマリオとルイージはクッパを倒し、ブルックリンの人々から感謝される。

おすすめポイント

言わずと知れた人気ゲーム「スーパーマリオシリーズ」を3DCGアニメーションで映画化。ブロックやドカンなど、ゲームの要素を物語の鍵として活かした演出はマリオ愛に溢れている。ゲームでは掛け声や短いセリフだけしか喋らない印象だが、本作ではぺらぺらた言葉を話す。吹替版で見るとより新鮮な印象だ。エンドロール後には、続編での人気キャラ登場を予感させる描写も?

感想

マリオの歴史

マリオの歴史は1982年に稼働を開始したアーケードゲーム『ドンキーコングJR.』から始まっている。1981年の『ドンキーコング』では無名のキャラクターだった髭の男は『ドンキーコングJR.』で初めて”マリオ”と呼ばれるようになった。

マリオシリーズ第一作の『マリオブラザーズ』が稼働開始したのは1983年のため、マリオはルイージよりもドンキーコングとの付き合いの方が長いのだ。本作でドンキーコングと仲が悪いのも、40年以上の腐れ縁であることが影響している。

とにかく諦めないマリオ

本作におけるマリオは「とにかく諦めない」というキャラ設定が前面に押し出されている。ピーチ姫によるお手なみ拝見、ドンキーコングとの戦い、そしてクッパとの戦い。度々、諦めないやつだと評されるマリオの性格は、プレイヤーの視点からは見えてこないゲーム内のマリオを描いているからこその設定だと思う。

1983年の『マリオブラザーズ』から、原作となっている「スーパーマリオ」シリーズに至るまで、ゲームの核は変わっていない。マリオの核は「クリア出来るまで死ぬ」いわゆる”死にゲー”と呼ばれる要素だ。

最も死んだキャラクター?

「マリオシリーズ」は世界で最も売れたゲームシリーズとしてギネスに認定されているらしい。マリオ=”死にゲー”と捉えれば、マリオこそ世界で一番死んだキャラクターと言えるだろう。

プレイヤーにとって、「マリオシリーズ」は忍耐力養成装置のようなゲームである。一方、キャラクター視点に立ってみれば、クリアするまで死に続けるのに、タフさは必須だ。マリオシリーズの核となる要素が物語を進めるきっかけとなる見事な設定に感心する。

あの光るやつはなんだ?

クッパに捕えられたキャラの中でも、独特な存在感を醸し出していたのが、青い星型のキャラ、ルマリーだ。ゲームでは、『スーパーマリオギャラクシー』に登場しているらしいが、劇場版のルマリーは明るく光るくせにニヒルな発言を繰り返すという独自のキャラ設定になっている。

エンドロール直前、暗闇に光るルマリーは「出来過ぎのハッピーエンド?ともかく全てが終わった。残ったのは君とこの闇だけ」と語る。いきなり現実に引き戻しにかかるこの演出は、『レディ・プレイヤー1』(2018)や『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』(2019)などゲームをテーマとする作品ではよく見られる演出だ。

現実を意識させる必要性

なぜ、わざわざキャラクターの設定を変えてまで現実の存在を感じさせなければいけないのか。2019年にWHOがゲーム依存症を国際疾病分類、つまり病気と認定した。コロナでの巣篭もり需要も関係して、ゲーム依存症への注意喚起も欠かせなくなったのだろう。

ただ、そういった理由があるにせよ、映画としての面白みが削られてしまうのは如何なものかと私は考えている。他の媒体と比べて中毒性が高く、その分配慮が必要だというのはわかるが、コンテンツとの関わり方は人それぞれだ。わざわざ野暮な説明を入れなければ、現実と創作の世界の境界を引けなくなってしまうのだろうか。おそらく、答えはYESなのだろう。

自分にもぶっ通しで10時間以上ゲームをしていた時期があった。止めるタイミングを失い、気づいたら朝になっている経験を何度もしている。一歩間違えば依存症の予備軍だ。けれども、現状なんとか暮らしている。世の中そんな人たちが大多数ではないだろうか。何かに依存して、生きていく。それがゲームであれ、映画であれ、本人が望んだ道なら壊れるまでその道を進んでもいいのではないか。そんな過激なことを考えさせるほど、ルマリーに水を指されたことに違和感を感じている。

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